SYMPOSIUM 研究発表会
一般社団法人日本パブリックリレーションズ学会 第4回研究発表会を開催
2026年08月07日
地方創生とパブリックリレーションズ ― 新しい日本を形づくる地方の躍動 ―

2026年7月26日、北海道大学学術交流会館において、一般社団法人日本パブリックリレーションズ学会第4回研究発表会を開催しました。
本大会は「地方創生とパブリックリレーションズ ― 新しい日本を形づくる地方の躍動 ―」をテーマに開催され、全国から研究者、実務家、行政・教育関係者、高校生・大学生などが参加しました。
学校現場や地域で実践されている取り組みを研究として共有し、多様な立場の参加者が対話を通じて学び合うことを目的として、基調講演、パネルディスカッション、研究発表、地方創生ハッカソン(アイデアコンテスト)などが行われ、活発な議論と交流の一日となりました。
開会挨拶

開会にあたり、一般社団法人日本パブリックリレーションズ学会理事長・楢島知哉氏が挨拶を行いました。
楢島理事長は、本大会のテーマである「地方創生とパブリックリレーションズ」に触れ、「地方を変える原動力は人と人との関係性にある」と述べ、パブリックリレーションズを単なる情報発信ではなく、人と人との信頼関係を育み、社会や未来を形づくる営みとして捉えることの重要性を語りました。また、本大会で交わされる議論や交流が、新たな実践や連携につながることへの期待が示されました。
来賓挨拶

来賓として北海道大学寳金清博(ほうきん きよひろ)総長よりご挨拶をいただきました。
総長からは、地方大学が直面する課題や、若者が地域に定着するためには魅力ある産業や地域づくりが重要であることが語られました。また、北海道大学としても地域社会との連携を深めながら地方創生に取り組んでいく考えが示され、本大会のテーマとも重なる力強いメッセージとなりました。
祝電のご紹介

当日、多くの方々から祝電が寄せられました。初代地方創生大臣を務めた石破茂前首相、山東昭子元参議院議長、柴山昌彦元文部科学大臣、その他大勢の方々から祝電を頂きました。
また当日は、地元選出の衆議院議員や北海道庁・札幌市役所の方々も参加しました。
基調講演
「地方創生とパブリックリレーションズ ― 新プロジェクトXの現場から ―」
講師:有馬嘉男氏(NHKメディア総局特別主幹)

基調講演では、NHK「新プロジェクトX」の制作を通して全国各地の挑戦を取材してきた有馬嘉男氏が登壇しました。
講演では、熊本県・黒川温泉、島根県・海士町、北海道・常呂町、JR九州「ななつ星 in 九州」などの事例を紹介しながら、地域を変えてきたのは特別な英雄ではなく、「地域を何とかしたい」という思いを持った人々であることが語られました。
また、地域の魅力を再発見し、人と人との信頼関係を育みながら新たな価値を生み出していく営みこそが、パブリックリレーションズの本質であると述べ、地方創生を支える重要な視点が示されました。
パネルディスカッション
「新しい日本をかたちづくる地方の躍動
―若者たちの郷土愛を土台にしたアイデアと発想を、地域の未来へのアクションへ―」

有馬嘉男氏、深川市長・田中昌幸氏、一般社団法人日本パブリックリレーションズ学会会長・井之上喬氏を迎え、佐藤浩市当学会常務理事もファシリテーションで地方創生の実践についての活発な議論が行われました。
人口減少や地域産業を取り巻く課題を踏まえながら、北海道深川市の事例を中心に、地域資源を生かしたブランドづくりや情報発信、人材育成、郷土愛を育む教育の重要性などについて意見が交わされました。
また、地方創生を持続可能なものとするためには、行政だけでなく地域住民や企業、教育機関など多様な主体が連携し、人と人とのつながりを育むパブリックリレーションズの考え方が重要であることが共有されました。
午前中の研究発表
「和平調停とは? なぜ各国はそれを外交ツールにするのか
―パブリックリレーションズが果たす役割と可能性―」
発表者:堀場明子氏(公益財団法人笹川平和財団 和平調停センター長)

午前最後の講演では、視点を国際社会へ広げ、和平調停とパブリックリレーションズとの関係について報告が行われました。
堀場氏は、紛争当事者との対話を積み重ねながら信頼関係を構築し、合意形成を支援する和平調停のプロセスは、多様なステークホルダーとの関係構築を重視するパブリックリレーションズと本質的に共通するものであると説明しました。
さらに、日本がこれまで培ってきた国際的な信頼や中立性を生かし、政府と民間が連携して国際社会に貢献していく可能性や、女性・若者の参画、人材育成の重要性についても紹介されました。
ランチセッション

昼休みには、アチーブメント株式会社主催によるランチセッション「学生・社員・顧客・社会から『選ばれ続ける』企業づくり」が開催されました。軽食を囲みながら参加者同士が交流し、企業経営におけるパブリックリレーションズの実践について活発な意見交換が行われました。
午後の研究発表
午後の発表は3会場に分かれ、地方創生、教育、医療、行政、企業、国際協力など幅広いテーマについて研究発表が行われました。それぞれの発表では、パブリックリレーションズを社会課題の解決や地域づくりに生かす実践的な研究成果が報告され、参加者との活発な質疑応答が行われました。各研究発表の概要については、別ページで紹介しています。
地方創生ハッカソン(アイデアコンテスト)
大会の最後には、中高校生・大学生・大学院生による「地方創生ハッカソン(アイデアコンテスト)」を初めて開催しました。
北海道大学、立命館アジア太平洋大学(APU)、愛媛県西条市立丹原西中学校などのチームが参加し、それぞれの地域資源や特産品を生かした地方創生のアイデアを発表しました。SNSを活用した情報発信や地域ブランドづくり、観光資源や農業を生かした地域活性化策など、多彩な提案が行われ、参加者との活発な意見交換が行われました。
『オンラインで地元の"おいしい!"を世界に発信! -丹原の「恵み」と「遊び心」をつなぐ共同ブランドプロジェクト-』
丹原ブラザーズ&シスターズ(西条市立丹原西中学校 中学3年生13名)

「竹田市の観光可能性」
齋藤 地唯磨

深川市の人口増加に向けたパブリック・リレーションズ戦略
〜「米どころ」から「暮らしどころ」へ〜
宇治篤希 葛西優月 椎葉大志 橋本結花

「深川市における人口問題解決とPRプラン ―北海道は日本の未来!~PRライフサイクルモデルに基づく提案~」
椛沢美麗 髙木 生哉 樗木 滉佑

閉会

最後に、一般社団法人日本パブリックリレーションズ学会会長 井之上喬氏より閉会の挨拶が行われました。
井之上会長は、本大会で交わされた研究発表や議論、世代を超えた交流を振り返るとともに、地方創生や社会課題の解決に向けてパブリックリレーションズが果たす役割への期待を述べました。また、来年度の研究発表会に向けてさらなる研究と実践の広がりを呼びかけ、第4回研究発表会を締めくくりました。